構造設計担当
技術部 課長

機械組立担当
製作部

電気設計担当
技術部

Project Story 03 /ユーレルVC2
構造設計担当
技術部 課長

機械組立担当
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電気設計担当
技術部

Chapter 1
構造設計担当:振動コンベアとは、機械の上部にある「トラフ」と呼ばれる受け皿の部分を振動させて、品物を搬送させる機械です。板バネという部品がトラフに振動を伝え、トラフの上にある品物を跳ね上げることで前へ進みます。
当社の従来製品であるVCシリーズは、設定した固定速度で品物を搬送するものでした。それに対してお客様から「搬送する速度や動きに幅を持たせられないか」という要望を頂きました。
トラフは駆動部と共振的な動きをしますので、駆動部の固有周波数と運転周波数は大体が決まったものになるのですが、搬送スピードが変速的になると振幅にはとてもデリケートな制御が必要になります。
機械組立担当:機械的にも、速度に対して適切な振動をトラフに伝えながら、床面の設置部分は異常な振動を抑え、機械への負荷を最小限にすることが大前提になります。機械の強度を補うために負荷部分を補強しすぎると、機械が重くなって振動がうまく伝わりません。さらに、機械コストも上がってしまいます。
構造設計担当:そのため適切な速度をコントロールしつつ、安定して品物を搬送し、かつ機械負荷を抑えることが大命題となりました。
センサーを機械の上部と下部に着けて、搬送スピードに応じて上のトラフ部分の振動と、下の設置側の振動の状態を監視しながら、電気制御で安全に搬送できる範囲を探っていくイメージです。


Chapter 2
構造設計担当:振動で品物をゆっくり流したり、速く流したりすることは、簡単な操作だと思われるかもしれませんが、実はこの動作は振動搬送の理論と相反するんです。 振動コンベアは、速度が変わると計算上よりも振幅が大きくなったり小さくなったり変化してしまうことがあります。振幅が1ミリ変わるだけで、流れる形もまったく変わってきますので、変速の都度、微妙な機械の制御が必要になります。
機械組立担当:新しいVC2では、タッチパネルでお客様ご自身がスピードを調整できるようにしました。工場の上位の工程や他の装置から「流量をこのくらいにしてほしい」といった相反する指示に合わせてスピードを変更して、トラフ部分を適切に振動させるという仕組みです。
構造設計担当:そこで私たちはまず、安全に搬送できる値を、品物の流量に応じてスピードのMAX値とMIN値を前後25%に抑えるという目標を立てました。 前例はありませんので、機械の試作とデータを計測する実験を繰り返し行い、安全に搬送できる値を導き出さなければなりません。この作業は特に電気的な部分を担った電気設計担当さんが大変だったんじゃないかな。
電気設計担当:そうですね。設計上の数字と、実際の振動の数値を確認しながら、どこまで許容できるのかデータを出していく作業なのですが、構造設計担当さんも言っていたように、設定した数式どおりに機械が変化することはまずありません。また見た目には変わらなくても、データにするとかなり変化してしまうこともあります。
電気制御はある程度予想を立てて設計できるのですが、試作機のデータから設計するとなると、経験がありませんでしたのでとても苦労しました。試作だからなんでもできるといえばそうですが、逆を言えば何をどこまでやるのか見当がつきません。機械の動きと流れの変化を細かく見ながら、3ヵ月間ひたすらデータを取っていきました。
構造設計担当:そしてもう一つ、速度調節の機能とは別に、トラフ部分を取り換えられるようにして欲しいという要望がありました。
機械組立担当:従来はトラフ部分と駆動部が一体になっているものが一般的ですが、設備コストや機械の洗浄時間を削減できたため、これは業界でも画期的な方式でした。揚げ物の搬送にはトラフを網状にすることもできますし、ステンレスに穴を空けて品物の大きさを分別することも可能です。
特に食品工場では「トラフ部分だけを水洗いしたい」という声が多かったのでとても喜ばれました。



Chapter 3
電気設計担当:データ上で「この振動でも大丈夫」というのが見えたとき、実際に機械でも大丈夫だったというときは、本当に嬉しかったですね。
構造設計担当:試作データの方である程度先が見えた段階で、役員、各部署のメンバーに集まってもらって、社内のプロジェクトの報告会を開いて成果を報告しました。 振動の常識に挑む、挑戦的なプロジェクトでしたので、当初は「本当にできるのだろうか」と不安でした。それでも、いろいろな人を巻き込みながら辛抱強く実験を重ね、仲間からのアドバイスにも助けられました。
電気設計担当:私はこの会社の前はソフトウエアの開発に長く携わってきましたが、振動装置自体は初めてでしたのでとまどうことは多かったのですが、特にシーケンサーなど機械の電気制御の技術はとても勉強になりました。
機械組立担当:当社は機械製造といっても、同じものを作ることはありません。ですからいろいろな現場やケースを知る機会にも恵まれていますし、自分なりに考える力をつけたり、仕事のやり方を工夫したりして技術者としての発想力や創造力がおのずと養われるんじゃないかな。経験を重ねることでそれがやりがいと自信につながると思います。
また、風通しの良い社風ですから、部署間の壁を越えてチームとして新しい挑戦に挑めることも大きな魅力だと思います。
構造設計担当:そうですね。電気制御もそうですが、自分の設計したものが実際に機械となって動いているのを見て、すぐにフィードバック検証が得られるのは一番大きい利点だと思います。
当社は新しいことにどんどん挑戦させてもらえるので、「モノづくりをしてみたい」と思っている人にはとても良い環境だと思います。
新しいモノをつくるには、私もそうですが失敗の連続です。でも、あきらめないで継続することが大事です。そこに必ず新しい発見があると思っています。
